マーケティング

証明写真のプリクラ化に学ぶ「プチイノベーション」と「企業の若返り戦略」

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起業家・中小企業支援マーケター 渡辺裕貴

 

レイズワンの渡辺です。

さきほどコンビニに行ったら、こんなものを見つけました。

photoa証明写真の機械です。

みなさん知ってましたか?

今の証明写真の機械は本当に高性能です。

 

普段、証明写真を撮る機械が無かったので全く気づかなかったです。

 

「え?今までの機械と何が違うんですか?」

という声もあると思いますので一応説明します。

 

写真をよく見てください。

機械の側面に4つの特徴が書いてあります。

 

1、スマホにデータ保存(WEB利用可)

2、背景選択が可能

3、美肌効果

4、男性向け肌補正

この4つです。

 

このKi-Re-iという機種は

顧客ターゲット(ペルソナ)を明確にしています。

10代〜20代の若者です。

 

これまでの証明写真は

画質の向上はあったかもしれませんが、

機種ごとの差などユーザーには分かりませんでした。

 

企業的には差別化していたのかもしれませんが、

おそらくほとんどの人には伝わっていないと思います。

(これが企業がよく犯す失敗です)

 

結果、客の立場からすると

どの機種を使っても一緒なので

「家の近所」

「たまたま近くにあった」

などの理由で適当に利用されていたと思います。

 

けれど、この機種であれば

「盛れる」※

を意識する若年層に選ばれやすくなります。

※(若者言葉で可愛く撮れる)

 

 

私はここから3つの事を学べると思います。

 

まず一つ目が、

特徴は伝わってこそ特徴だし、

顧客にメリットをもたらしてこそ意味がある

という事です。

 

例えば、

これまでの「肌補正」という機能はあったのかもしれません。

「背景選択」という機能はあったのかもしれません。

 

けれど、ほとんどのユーザーには伝わっていなかったと思います。

しかし、なぜこの機種だけそれが伝わったのか?

 

それは、

このプリクラ機のような装丁も要因の一つだと思いますが、

一番は機能をメリットとして伝えている事だと思います。

 

例えばこれを

「肌補正機能付き」「背景選択可」

などという味気ない機能紹介をしてしまうと

お客様も「ふーん」で終わってしまいます。

 

けれど

若者が見慣れたプリクラ機のような見た目で

「肌美プラス」

「男肌プラス」

というワードを使う事で、

 

「可愛く撮れる」

「カッコよく撮れる」

というイメージをパッと顧客に湧かせ

単なる機能をメリットとして伝えているのです。

 

これが一つ目の伝え方の重要性です。

 

2つ目が

「ちょっとした事でイノベーションは起こせる」

という事です。

 

恐らく今回の件も、

やってしまえば

「そんなものイノベーションと呼べるか」

という声も多いとおもいます。

 

けれど実際これまではどの機種も似たり寄ったりで

差別化は図れていませんでした。

 

それはこの業界の人間がずっと

「証明写真」

としての向上を図ってきたからだと思います。

 

けれど今回の機種は

「若年層を取り込むために」というテーマの下

プリクラ業界からアイディアを取り入れて

 

証明写真 → 証明写真Lv.2(進化)

ではなく

 

証明写真 + プリクラ機(合体)

することで

これまでにない新しい商品が出来ました。

 

後から見れば大した事ないモノでも

先にやってしまえば大きな変化に見えるのです。

 

 

そして最後の3つ目は、

「企業も商品もお客様と共に老いる」

という事です。

 

過去、何度かこの話を取り上げましたが

ビジネスにはライフサイクルがあります。

 

創業期 → 成長期 → 成熟期 → 衰退期

です。

 

これはどんなビジネスにも当てはまります。

放っておけば、

どんな一流企業も売れている商品も

顧客と共に古くなっていきます。

 

ひとつ例を挙げましょう。

 

メリット、というシャンプーをご存知ですか?

ウチの母も愛用している花王のロングセラー商品です。

まりっと

 

メリットは1970年に初めて発売されました。

当初は「フケやかゆみを抑えるシャンプー」

として若者から大人まで大変な人気を博しました。

 

しかし、好調かと思われたメリットにも

暗雲が立ち籠めます。

顧客の加齢です。

 

当時メリットを使っていた若者も

30代、40代と年齢層が上がっていき

次々に若者向け商品が発売されていく中で、

「メリットは中高年が使うもの」

というイメージが付き出したのです。

 

ブランドイメージというのは難しいもので

一度「中高年のモノ」というイメージが付くと

そのレッテルを剥がすのは難しくなります。

 

そこで花王は早々と手を打ちます。

それが「カワイイはつくれる」でおなじみのシャンプー、

エッセンシャルです。

しずちゃん

 

花王は一度付いてしまったレッテルを剥がすのは難しいと判断し、

新しい商品開発を行ったのです。

 

これが見事当たり

花王は若者層の顧客離れを防げました。

 

これは今回の件と似ています。

今回の証明写真は、

全く新しい新商品というワケではありません。

 

しかし、

証明写真機としての性能追求だけでは限界を感じ、

「どうしたら若年層世代を取り込めるか?」

というテーマの下、新しい施策を打ったのだと思います。

 

これはとても重要な事で

ここ3〜5年だけ見ているなら

「企業・商品の若返り」

というのは意識しなくて良いかもしれません。

 

けれど10年〜20年先、

そして次の世代へのバトンタッチを考えるなら

企業、商品を若返りが重要になってくるのです。

 

 

と言ったところで今回は

1、特徴は伝わってこそ特徴(伝え方が重要)

2、ちょっとした事でイノベーションは起こせる

3、企業・商品の若返りを考える

でした。

 

 

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